あなたとわたしシリーズ
ヒロインと仲間の一人が一対一で会話していく形式のWEB拍手でした。
キャラ順は大体ゲームで仲間になる順番に並んでいます。読んでいくうちに誰との会話か分かるようになっているので、特に名前は明記してません。
しかしウーマロとシャドウの話は本当にこれでよかったのか。
魔導戦士とわたし
「愛って、何なのかしら」
「愛………」
「誰に聞いても、答えは教えてくれない。そのうち分かるよ、みんなそう言うの」
「うーん、確かにそれは、わたしもそう言うしか出来ないかな…」
「でも、今知りたい。私、不安なの。人でもなく幻獣でもない自分の存在が」
「あなたは、あなたよ」
「貴方はそう言ってくれる。でも私はそうは思えない。だけど愛を知れば、自分を認められる、受け入れられる、そんな気がするの」
「うーん……あ、そうだ、ちょっといい?」
「え?」
「ぎゅっ!」
「何してるの?」
「抱きしめてるの。わたしに教えられそうなのはこんなことしか無いんだけど…」
「どうして?」
「お母さんは赤ちゃんを抱っこするし、男の人は好きな女の人を抱きしめるの。まあ愛情表現ってとこかな、今どんな感じ?何か分かりそう?」
「暑いわ」
「あ……そう…なんかごめん」
「でも何故かしら、何だか安心する。貴方の心が流れ込んでくる気がするの。それにずっと昔、こうやって抱きしめられていたような気がする」
「うん。きっと昔、お父さんとお母さんに抱っこされてたんだよ」
「私、少しだけ分かったわ。愛って、きっとあったかいものなのね」
泥…冒険家とわたし
「何してるの?」
「戦利品を眺めてたのさ。これがサウスフィガロへの洞窟で戦った魔物から盗んだ腕輪」
「わ、きれい」
「これがジドールに行く途中で戦った魔物から盗んだ短剣、これは昔コーリンゲンの近くで魔物に襲われた時に盗んだ盾」
「へえ」
「で、これは帝国兵から盗んだ服。ちょっと大きいが、変装するのに便利だぞ」
「服。じゃあ、盗まれた方は裸?」
「当然だろ。あとこれは落ちてたのを拾った兜」
「……無料で装備が整っちゃったね」
「装備だけじゃないぞ。一人で旅してた時は、俺はアイテムに1ギルも使ったことはない」
「へえ、すごいね!回復アイテムがいらないほど強いってことでしょ?」
「いや。アイテムは買わない。盗む。ポーションからエリクサーまで、全部盗む」
「えっ」
「すげえだろ!」
「あ、うん、すごい。色んな意味でね…」
「お前、俺以上に素早いんだから、鍛えれば敵から色々盗めるんじゃないか?教えてやろうか、盗みのコツ」
「いえ、結構です…泥棒はいけない事だと教わったので…」
「泥棒!?俺はトレジャーハンターだ!」
「説得力なさすぎる……」
王様とわたし
「世界が平和になったら、君はどうするんだい?」
「うーん、故郷に帰ろうと思ったけど、どこかに落ち着いてもいいかとも思ってる」
「それならフィガロで暮らすといいよ」
「暑いの苦手だから、遠慮しとく」
「夜は涼しくて気持ちいいよ」
「寒い、の間違いでしょ?わたし、寒いのも苦手」
「城の中は過ごしやすいよ?暑すぎず寒すぎず、いつも快適だ」
「お城なんて堅苦しい場所に閉じ込められたら、息が詰まっちゃう」
「閉じ込める気なんか無いさ。出かけたい時に出かけて、疲れたら戻っておいで」
「わたし方向音痴だから、出かけたまま戻ってこなくなるかもね」
「そうならないようにちゃんと護衛をつけるよ」
「その人たちには悪いけど、うまく撒いて逃げてやるんだから」
「それなら私は職務を全うしなかった罰で、護衛を処刑しないといけなくなるな」
「えっ」
「ああ困った。誰かさんが逃げるせいで尊い国民の命が犠牲になるとは」
「……」
「……」
「……」
「もう降参かい?」
「言いたい事があるんならはっきり言ってよ」
「気付かない君が悪い。君にプロポーズしているんだよ、私は」
修行僧とわたし
「今日は天気がいいから、外でお茶したいなー」
「じゃあ、外に行くか。準備するよ」
「ありがとう!あと、美味しいお菓子もあればいいなー」
「言うと思った。昨日のクッキーが沢山残ってるから、それでいいか?」
「ありがとう!」
「よし、じゃあ出かけるか」
「うん、…あのね」
「何だ?」
「今度お茶の入れ方と、そのクッキーの作り方教えてくれる?あと料理も」
「いいけど。急にどうした」
「あの、いや、その、わたしが自分でするより美味しいから、知りたいなと思って」
「おっ、なんか照れるなー!いいぜ、今度教えてやるよ!」
「ありがとう!あともう一つお願いがあるんだけど」
「何だ?」
「わたしがあなたと同じくらい、お茶や料理が出来るようになったら、結婚してくれる?」
「えっ…あ…おっ…」
「だめ?」
「うっ…おっ…………はい……」
「……ありがと」
女将軍とわたし
「い〜と〜し〜の〜」
「いぃぃぃどぉぉぉしぃぃぃのぉぉぉ」
「……あなた〜は〜」
「あぁなぁだぁはぁぁぁぁ」
「………とおい〜とこ〜ろ〜へ〜」
「どぉおぉいぃぃぃとごぉぉろぉぉへぇぇぇぇぇ」
「………」
「うん、今日は結構上手く歌えたみたい!そう思うでしょ?」
「うん……」
「毎日教えて貰うたびに上手になっていくのがわかるの。きっとコーチがいいのね。ありがとね」
「私の指導力なんて、まだまだよ。うん、ほんとに……」
「そんなことないよ。教えるの上手だよ!そのおかげでわたし、かなり歌が上手くなったもの」
「う、うん……」
「でも、ただ上手いだけなのも嫌なのね。あなたみたいに、こう、胸に迫るような歌?そう言うのを歌いたいんだけど」
「私の歌なんて大したものじゃ…急遽代役になって、付け焼刃で覚えたものだし」
「ううん、あなたの歌も声も凄く素敵だよ!ねえ、もっと上手く歌えるようになるアドバイスとか無い?ここをこうしたら、とか」
「そうね………」
「………」
「……音を良く聞いて、外さないようにして、あとは、たくさん歌うこと、かな……」
「うん、わかった。もっと歌う量、増やさなくっちゃ!」
「どうしたら傷つけずに、音痴だって伝えられるのかしら…」
「ん?どうしたの?」
「ううん!何でもない!じゃ、もう一度最初からね!!」
暗殺者と(犬と)わたし
「わあ、久しぶりワンちゃん。また一緒に旅が出来て嬉しいよ。よし、コロ、お手ー」
「止めておけ。他人には懐かない犬だ…あとそいつの名前はインターセプターだ」
「あらやだ、そんなに吠えないでよう、ポチ」
「インターセプターだ。前にも教えた筈だが」
「お手は、こうやって右足を上げるんだよ、クロ」
「おい、話を聞いているのか」
「あ、噛まれちゃった。駄目じゃないのラッシー、そんな事しちゃ」
「聞いていないな…」
「じゃ、もう一度最初からね、タロウ、お手」
「そいつは雌だ」
「……そう言えば、この子の本当の名前って何だっけ…」
「適当に言っていたのか」
「ラッキー、ジョン、チャッピー、ハチ公、ハナコ、うーん、どれも違う」
「わざと外しているのか?だから、インター…」
「あ!思いだした!!」
「やっと、か」
「シャドウ、お手!!」
「こいつはもうだめだ」
侍とわたし
「慣れ染め、でござるか」
「そう。カイエンさんは国の護衛で忙しかったのに、奥さんとどんな風に出会ったのかなーと思って」
「…そうでござるな…。ミナと出会った頃はまだ、帝国との戦いも激しくはなかったでござる」
「うん」
「だがいざという時に備えて城壁の補強や武器の準備など、気の抜けない日々を過ごしておった。出会ったのはそんな日の朝でござる」
「うんうん!」
「拙者が王の間に向かおうと廊下の角を曲がった時、向こうからおむすびをくわえたおなごがぶつかって来たのでござる」
「あらあ…」
「おなごは自分からぶつかってきたくせに『もう!気をつけなさいよ!』と言って走って行ったでござる」
「それがミナさん?」
「そうでござる。その後王の間に向かうと、あのおなごが部屋の端に控えておった。思わず『あ!』と声が出たでござる」
「向こうも気づいた?」
「『あ!今朝のぼんやりした男!』と言われたでござる」
「そこでむっとしなかったの?」
「いやいや、強面の拙者にそこまで言えるおなごなど滅多におらぬ。逆にきゅんとしてしもうた」
「へえ、そんなものなんだ」
「ミナはその日侍女として採用されたばかりでござったが、それが縁で拙者が城の事を教えることになったでござる」
「ふんふん」
「そのうち段々お互いに惹かれあうようになり、まあ、その後、拙者から求婚して結婚したのでござる。そんな感じでござるよ」
「プロポーズの言葉は?」
「……いや、それは、勘弁して下され…」
「そこが聞きたくてずっと聞いてたから、教えてよ」
「…………でござる」
「え?」
「……で、ござる。三度は言わぬでござるよ」
「カイエンさん聞こえないよ。大きな声で言ってよ、ってどこ行くの?カイエンさん、カイエンさ―ん!!」
野生児とわたし
「くんくん、干し肉の匂いがする」
「あ、持ってるよ。食べる?」
「食べる!」
「はい、どうぞ」
「がう!……」
「……食べないの?」
「うー!こっち、やる!」
「半分こしてくれるの?ありがとう!」
「あ、それだ!」
「え?」
「ござるにおしえてもらったことば!何かしてもらった時のことば!」
「ああ、『ありがとう』のこと?」
「干し肉くれて、あ、り、…あり、が、と、う!」
「うっ……!」
「どうした?なんで泣いてる?ガウ、悪いことしたか?ガウ、ひどいやつか?」
「違う、あの、うっ、嬉し泣きだから、ガウ君が優しくて、頑張って色んな事覚えてるから、嬉しくなって…大丈夫だから、うっ…」
「うれしいのに泣くのか?おまえ、へんなやつ」
「嬉しすぎるとね、涙が出るんだよ。そのうち分かるよ」
賭博師とわたし
「ダリルとはよくバーで朝まで飲み明かしたもんだ」
「へえ、やっぱり話題は飛空挺のこと?」
「まあな。ただあいつは飲むと少々荒っぽくなる奴で、絡んできた酔っ払いと殴り合いの喧嘩になって、俺が止めに入る事もしょっちゅうだった」
「うわあ…はちゃめちゃだねえ」
「器物破損だとか営業妨害とかで、しまいにはどの町のバーからも入店禁止を食らっちまった」
「ブラックジャック号にバーカウンターがあったのは、行けるバーが無くなっちゃったから?」
「俺まで一緒に入店禁止になっちまったんだから、自分で飲める場所を作らなきゃしょうがねえだろ」
「まあ、そうだね」
「あいつはそんな豪快な面もあるかと思いきや、怪我したミシディアうさぎを拾って世話をする、繊細な面もあった」
「もしかしてそのミシディアうさぎって」
「そう、戦いの時に来てくれるあのむぐむぐしたやつだ。ダリルの代わりに俺に恩返ししてるのかもな」
「そうなんだ。どこで戦ってても、空にも来てくれるなんて、さすがうさぎ。足速いねえ」
「今思えばあの頃が俺の青春だったな。ま、過去の話だ」
「あのさ、一つ聞いていい?」
「何だ?」
「そのダリルさんって、男なの。女なの」
「………」
「話聞いてたら分かるかと思ったけど、どっちか判断できなかった」
「……男勝りの、女」
「そうなんだ」
「だがもしかすると、女性的な、男かもしれない」
「つまり分からないんだね……」
「この世の全ての事に必ず答えがあるわけじゃ無いんだぜ?まだまだ若いな、お嬢ちゃん」
白饅頭とわたし
「あのさ、前から言いたかった事があるんだけど」
「……クポ?」
「撫でていい?」
「改まって何かと思ったらそんなことクポか…どうぞクポ」
「ふあああー気持ちいい…ありがとうね」
「どういたしましてクポ!もういいクポか?ボクもう寝るクポ」
「あ、待って待って!ええと、ちょっとでいいから、ふかふかしていい?」
「ちょっとだけクポよ?」
「うん。………」
「………」
「ありがと。あとさ、ぎゅってしていい?あとすりすりもしていい?」
「…ちょっとだけクポよ?」
「…うーん、癒されるう」
「もういいクポ?眠いクポ」
「うーん」
「まだあるクポか?」
「あのさ、クッション代わりになってくれる?それか、抱き枕代わりでもいいんだけど」
「お前図々しすぎるクポ!ええい、こうしてやるクポ!こうして、ここをこうして、こうやって曲げて、こうするクポ!」
「うわ、ごめん、わたしが悪かった、謝る、謝るから、踊るのやめてえ!!!」
青魔道士とわたし
「お主にありがたーい話をしてやろう。心して聞くと良いゾイ」
「ありがたい話?うん、まあ、聞いてみます」
「ふむ。こう見えてもワシは若い頃、かなりの『いけめん』だったんじゃゾイ」
「そうなの!?」
「そんなに驚く事は無かろう。失礼な娘じゃ」
「すみません…」
「まあ良い。若かりし頃のワシは、モンスターの謎を追うロマンチストな一面はロックさながら、世界を飛び回るその様はセッツァーのごとく」
「わあ、ちょっと見てみたいかも」
「戦えば今のマッシュと同等、いやそれ以上の強さじゃった」
「おおおー」
「だからどの村でも町でもおなごにもてまくりじゃったゾイ。ワシはエドガー以上に紳士で、れでぃーの扱いが上手かったからのう」
「へえ」
「宿屋でも、勿論バーでも、ワシの隣には常に美女がおったゾイ。一時期はワシを巡って十角関係にまで発展したこともある!!」
「あのね、ストラゴスさん」
「何じゃ?改めてこの爺を尊敬する気になったかえ?」
「……『誇大表現』って知ってる?」
「うっ、ゲホゲホッ!かーっ全く最近の若いモンは何でも疑ってかかる!いかん!いかんゾイ!」
絵描きとわたし
「もっと口の端を上げて」
「こう?」
「うーん、まあいいか。で、目はそのまま細めてて」
「なんか顔が攣りそう」
「我慢して」
「はあ」
「ため息つかないの!」
「はいっ!!」
「ちょっと固いなあ。もっと自然な笑顔が欲しいんだけど」
「自然な…こんな感じ?」
「なんか違う…。そうだ、あいつが目の前にいるみたいにして笑ってよ」
「えー、恥ずかしいなあ。……」
「あ、その顔!その顔のままでいて!!」
「うう、疲れた…。あとどれくらいで終わるの?」
「いつもならとっくに終わってるんだけど。モデルが動くから全然進まないんだよね」
「それはごめん…随分念入りに描いてるのね。いつもはもっとささっとスケッチするのに」
「丁寧に、それこそ生きているように描かないと、依頼主がうるさいから」
「え!?い、依頼主?」
「そ。あんたがこっち見て笑ってる絵を描いてくれ、しかも目の前にいるかのような絵を、ってさ。頼まれたんだー」
「だ、だれに頼まれたの!?もしかしてあの人!?」
「完成したら教えてあげる。だからそれまでじっとしてて?」
「うん……」
「あ、その顔も後でスケッチさせてよ。自分の事であんたがそんな顔してるの見たら、あいつ喜ぶから」
雪男とわたし
「どうしてかな。少し前から、貴方のことが気になりだしたの」
「……」
「貴方の隣に行ってみたくて、貴方に触りたくて、ずっと目で追いかけてたの。気付いてた?」
「……」
「今ね、こうして隣に居られて、何だか、凄く幸せなの」
「……」
「貴方のそばにいると凄く暖かくなるの。ね、もっとくっついていい?」
「……」
「ああ、暖かいなあ。それに気持ちいい。ずっとこうしていたいな」
「……」
「わたし、もう貴方のそばから離れたくない。ずっと隣に居させて?」
「……まで?」
「ん?」
「それは、いつまでだウー」
「とりあえず冬の間は貴方の隣から離れない事にする」
「夏はどうするんだウー」
「うーん、夏ねえ…夏になったらまた考えさせて。多分距離を置く事になると思う」
「いらなくなったらポイかウー。恐ろしい女だウー」
物真似師とわたし
「この旅が終わったら、コルツ山の小屋で、二人で暮らさないか?」
「ほぅ!?」
「それよりも私と来なさい。そして、私の隣で国を支えて欲しい」
「はい!?」
「一か所に留まるなんてつまらない。俺と世界中の秘宝を探して旅しようぜ!」
「へ!?」
「俺と一緒に来い。一番近くで星空を見せてやるよ」
「はぁ!?急に、何、何なの、みんなの真似しちゃって」
「物真似師は真似するのが仕事だ」
「いや、そうなんだけど」
「で、どうだった?」
「何が」
「誰の口説き文句が一番だった?」
「え!?それは、その……耳貸して」
「うむ」
「……」
「……なるほど。分かった。ではあいつに報告しに行ってくる」
「え!?やだ、ちょっと待ってよ!」
仲間達とわたし
「引っ込み思案な所はあるけど、いい子だよ。一緒に旅してきた俺が保証する」
「あの愛らしい瞳に見つめられると、胸が熱くなるね。うっかり口説きそうになる」
「そうか?ただの腰ぬけだろ、あいつ。初対面で人の顔を見るなり絶句しやがって。かと言って慣れたら慣れたで図々しい。何なんだよ」
「セッツァーだいじょうぶ、それ、きもち許してるショウコ!おれたちのこと、けいかいしてないショウコ!」
「ほっほっほ、ガウはあの子の事を良く分かっとるんじゃのう。ワシには二人が姉弟のように見えるゾイ」
「あの子が一番ガウ殿の面倒を見ているでござるからなあ。町でも、良く姉弟と間違えられているでござる」
「カイエンもよく父親と間違えられてるクポよ。ボク的にはあの子、干し肉食べる量減らして欲しいクポ。触ってくる時に肉臭いクポ」
「『干し肉を食べ始めたのは最近なんだけど。正直こんなに美味しいとは思わなかったよ。だからいつも持ち歩いてるんだー』」
「ゴゴ、あいつの真似、上手いウー。…あいつ、冬の間ウーマロの横にいたウー。でも春になったとたん、離れた。ウーマロで暖を取ってたウー」
「…俺には関係ない。が、腕は意外に立つ。本当に意外だが」
「確かに見かけよりは強いけどさ、でも結構子どもっぽいよねあいつ!リルムの方がずっと大人だって思うとき、あるもん」
「私は逆に、あの子に教わる事が多いわ。料理や洗濯や掃除なんかの普通の事ばかりだけど。それに何かあったら一番に相談するのもあの子ね」
「ん?セリス、あいつに何を相談するんだ?何かあったら俺に言えよ。あいつどっか頼りないからさ」
「私には良く分からない…けれど、あの子といると温かい気持ちになるわ。勿論、皆もそうだけど」
「ただいまー、いっぱい買い物しちゃったー!…って、皆で集まって何やってるの」
「何でもないでござるよ」
「そうよ、何でもないわ」
「そうなの?…まあいいか、ちょっと荷物置いてくるー!」
「ほんとガキっぽいよね、こいつ」
「リルム、聞こえるわよ!」
戻る